2011年5月7日

39日目 中辺路2

39日目(2011.5.6)


午前2時起床。
食パン3枚とバナナ2本を頬張り、2時半に出発。
那智駅前、民宿那智から熊野那智大社を目指す。

しばらく北上すると大門坂に着く。
街灯の無い石段で、当然真っ暗。
まだ4時前である。
ビデオカメラの液晶で足元を照らした。
周りの茂みからガサガサ音がなっている。
なにか小動物がいるようだ。
怯えながらも登る。

4時過ぎに熊野那智大社に到着。
隣には青岸渡寺もある。
この時間の寺社は独特の雰囲気が漂っている。
観光客を含めて人がおらず、立派な寺社のみが薄明かりに照らされている。
ゲームの世界を見ているようだ。

オブリビオンとかね

一休みしてから山道に入っていく。
時刻は4:40くらい。
日の出前だが徐々に空が明るくなっており、足元も見える。

最初の山道は大雲取越(おおくもとりごえ)だ。
雲の中を進むがごとき険しさからついた名前らしい。
アップダウンが続く。
この日は海沿いの那智からスタートしたことを考えれば、高低差は800m以上ある。
完全に山登りだ。
ワイシャツで歩くヤツなんて他にはいないだろう。
汗だくになりながらも順調に前進し、10時前には下山できた。

下山口の小口。
ここの郵便局でお金をおろした。
全国津々浦々にまである郵便局は長旅の強い味方だ。

次は小雲取越である。
「小雲取越は大雲取越に比べれば楽」というようなことがパンフに載っていたので、軽い気持ちで登り始めた。
しかし、これがかなりキツい。
日が昇り気温が上がっている。
まだ涼しかった大雲取越ですら汗だくになったのだ。
気温が上がればなおのこと汗が出る。
しかも小雲取越に入山してしばらくはずっと登り道である。
大雲取越の疲れも相まって、かなり辛く感じた

ちなみに大雲取越と小雲取越は普通二日間かけて進む行程である。
それに+αした道のりを一日で進むとは、我ながらタフだ。

昼過ぎに下山して、残った食パンを頬張る。
ずっと外食続きで贅沢をしていると、食事の嗜好に変化が現れる。
贅沢な食事への評価がそれほど特別ではなくなり、相対的に質素な食事への評価が上がるのだ。
つまり、食パンをかじることの喜びと寿司を食うことの喜びがかなり近いレベルになっている。
どんな食べものでも不味くなけれさえすれば、それなりに美味しく頂けるようになったのだ。
これはいいことなのかどうなのか・・・。

小雲取越を抜け、しばらく国道を進むといよいよ熊野本宮大社のお目見えだ。
これで熊野信仰の聖地、熊野三山に参ることが出来た。
唯物論者のくせに信仰深いヤツだ。
熊野本宮大社の今年の標語は「歩む」らしい。
なんか嬉しいね。

ここからまた山道を抜け、宿のある湯の峰温泉に行く。
また汗だくになりながら下山した。

ここ湯の峰には世界遺産の「つぼ湯」のほか、「湯筒」という高温の温泉がある。
ここに卵や野菜を入れて茹でるのだ。
そういえば温泉卵って温泉で作るから温泉卵なんだよなあ。
つぼ湯

湯筒。卵やタケノコが見える

下山口から1Kmほど道路を歩き、ようやく宿についた。
山道中心で14時間のハードスケジュールだったが、十分な休息と栄養さえとれていれば案外大丈夫だ。

この日の宿は湯の峰温泉「民宿 ゆの里」
一名、一泊二食7000円。
提示料金のほかに入湯税と消費税が加算される。
建物は新しい感じで清潔感がある。
温泉は源泉かけ流し。飲むこともできる。
あゆ料理がうまい。

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